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サッカー少女の励みに なでしこ沢選手(代表)

2011/7/16

男の子に交じってボールを追い、技術を磨いた。サッカー女子ワールドカップ(W杯)「なでしこジャパン」の大黒柱、沢穂希選手(32)。小学校時代、チームで唯一の女の子だったが、男子を押しのけてエースの座にあった。自分のプレーが後に続く少女たちの励みになると信じ、世界一を決めるピッチに立つ。
16日午後、東京都府中市。沢選手が小学校時代に所属した「府ロクサッカークラブ」は炎天下で練習した。5年生でただ一人の女子選手井出千晴さん(10)は男子と一緒に走り回っていた。
もちろん好きなのは沢選手。中学校進学後もサッカーを続けたいと思っている。「いつか沢選手に直接、フェイントを教わりたい」と目を輝かせた。日本時間で18日未明の決勝は、眠い目をこすってでも見るつもりだ。
沢選手は兄の影響で小学2年の時、同クラブで本格的にサッカーを始めた。2年下には、日本代表経験のある中村憲剛選手(30)もいた強豪チーム。当時のコーチ大高富太郎さん(67)は「男の子とぶつかったり、ボールが顔に当たったりすることを恐れなかった」と振り返る。練習にも人一倍熱心に取り組み、5年生のころからは重責のセンターハーフを務めた。
女子であるがゆえの悔しい思いも。小6の時には女子だからとの理由で全国大会予選に出場できなかった。試合で「女がサッカーなんかしやがって」と男子選手にスパイクを蹴られたこともあった。母満寿子さんから「一流のプロ選手になって見返してやりなさい」と励まされた。ただ「サッカーが好き」という気持ちは揺るがなかった。
15歳で日本代表に選ばれてから五輪に3回出場し、前身の世界選手権を含めW杯は今回で5回目。当初は高かった世界の壁だが、一歩一歩レベルを上げ、北京五輪では4位になった。
母の日には必ずカードかメールを送り「生んでくれてありがとう」と感謝の気持ちを示す。大会中に連絡をしてくることはほとんどないが、3得点した今大会のメキシコ戦後は「お母さん、やったよ」とメールを送ってきた。W杯に懸ける思いが伝わってきた。
満寿子さんは「穂希がサッカーを続けるのはお金のためじゃない。これからサッカーをしたいという女の子の可能性を広げるために頑張っているんです」と力を込めた。

共同通信

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