2011/7/18
サッカー女子ワールドカップ(W杯)で、驚異的な粘りを発揮して世界一の座を勝ち取った「なでしこジャパン」。18日朝、選手の地元では家族が「娘は誇り」「最高の親孝行」と快挙を喜び、恩師は「被災地を勇気づける勝利」とたたえた。
宮間あや選手(26)の出身地、千葉県大網白里町ではパブリックビューイングが行われた。優勝が決まると、最前列にいた父文夫さん(56)は町民らから胴上げされ、涙を流した。「何度も米国の猛攻に耐えたメンバー全員で取った金メダル。みんなに『ありがとう』と言いたい」
横浜市の知人宅で約50人と観戦したのは近賀ゆかり選手(27)の両親。父雅志さん(58)には数日前、ドイツで戦う娘から「父の日に何もあげられなくてゴメン。メダルをプレゼントするから待っててね!」と絵はがきが届いた。「世界一になるなんて最高の親孝行です」と雅志さんは笑い、母みどりさん(56)は「娘を誇りに思う」と目頭を押さえた。
東京都府中市では沢穂希選手(32)が小学校時代に所属した「府ロクサッカークラブ」の関係者らがテレビで観戦。沢選手を指導した元コーチ田中宏明さん(71)は「素晴らしかった」と目を潤ませた。
「大会で見せた粘りは世界一を目指す気持ちの表れ。子どもの思いを信じていた」と神奈川県大和市で興奮気味に話したのは川澄奈穂美選手(25)の父守弘さん(56)。
鮫島彩選手(24)、熊谷紗希選手(20)ら卒業生3人が代表に名を連ねる常盤木学園高校(仙台市)は、津波で自宅を失った生徒もいた。松良千広校長は「被災地を勇気づける勝利。復興に向け、彼女たちのように前を向いて立ち上がらなければ」と話した。
共同通信