2011/8/2
サッカーの女子ワールドカップ(W杯)で初優勝の快挙を成し遂げた日本代表は2日、団体では初となる国民栄誉賞の受賞が決まった。世界の頂点に立ったことで、これまで恵まれなかった競技環境の改善へ向けた動きが出始めていたが、さらに追い風が吹きそうだ。
枝野官房長官は同日、サッカー女子への支援を充実させるように文部科学省に指示。高木文科相も選手個人への助成金増額や、なでしこリーグへの支援拡大を検討する方針を表明した。
現在、トップ選手にはサッカーくじなどの収益から、1人月額10万円が支給されている。助成金を担当する日本スポーツ振興センター助成課の関係者は「国からも早急にと言われている。1カ月以内には結論が出るのでは」と話しており、最大で1人当たり10万円が増額される見込みだ。
代表クラスの選手への支援に加え、代表選手の大多数が所属するなでしこリーグの活性化や、競技環境が整備されていない中学生年代の受け皿づくりなど、代表を下支えする環境づくりへの期待も膨らむ。代表を指揮する佐々木監督も「日本でやっているリーグや、底辺拡大に目を向けてほしい」と強調した。
W杯優勝という輝かしい業績と国内の環境との格差に焦点が当たり、改善が進むとすれば、サッカー女子関係者にとって歓迎すべき受賞となる。
共同通信