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[新シーズンに懸ける男たち]MF 10 小林 祐希(東京V)聞き手:田中 直希 ()

2012/2/9

●普通できないことは、ラッキーなこと

――今季、キャプテンに就任されました。いつ指名されたのですか?
「昨年末くらいです。シーズンが終わって少し経ったころだったと思います。監督と社長からそれぞれに。『キャプテンをやることで成長してほしい。みんなを盛り上げてほしい』と言われました。『オマエは一番声を出しているし、若いヤツが引っ張っていくほうが良いと思っている』と。『やれることはやります』、と答えました」

――言われたときの気持ちは?
「ラッキー、って。普通できないことですから。(キャプテンは)中堅にもベテランにも、全員と対等に話さなければならない。起こった問題を解決しなければならないし、プロとしてチームを良くしようとしなければならない。自分は若いので、キャプテンという肩書きがないとなかなかその状況は生まれにくい。去年は『自分は自分のプレーをしていればいいや』という思いも少なからずありました。でも、チームが勝つためには自分が思ったことを表現して、話し合わなければならない。自分から作ろうと思わなくてもそういう状況が作られたわけです。みんなのことを知ることができるし、オレのことももっと知ってもらえる。雰囲気も良くなっていくんじゃないかな。だからそういう機会ができて、『ラッキー』と思いました」

――昨季の反省があったからですか?
「人間関係はプレーにも影響します。メンタル的に落ちてしまって気持ちが入り切らなかったら、それはみんなが同じ方向を向いていないこと。すでにいろいろな選手とコミュニケーションを取れています。太さん(太洋一、G大阪から加入)をはじめ、実績のある中後さん(中後雅喜、C大阪から加入)や西さん(西紀寛、磐田から加入)から、いろんな話を聞いています。経験のある人と話しているだけでそれは自分の成長になる。キャプテンじゃなかったら、話しに行っていなかったかもしれない。『おお、キャプテン!』とイジられるだけでも、コミュニケーションですからね」

――周りの反応が変わった?
「自分が変わりました。プレーでもミスができない。キャプテンだし、10番ですから。守備でもいっぱい声を出す。自分が行動していれば、周りも気付いてくれると思うんです。みんなでカバーし合ってやっていきたい。ただ、オレへのカバーはいらないぞ、というプレーを目指したい。そのために毎日練習をしたい」

――川勝監督とも、練習中から何度もコミュニケーションを取っています。
「細かいところを指摘してくれます。『オマエは左足があるんだから、遠い位置からでもどんどん打っていけ』と。反転するときの角度や目線のアドバイスもしてくれます。監督自身がスゴくうまいのでね。アウトサイドで止めて、アウトサイドで出されちゃったら、オレらはどうしたらいいんですか(笑)」

――トラップで相手の逆を取ることがうまくなったように見えます。
「そのために2タッチゲームをやっていますから。(トラップは)判断とファーストタッチで決まる。2タッチでポンポンとボールを回していたら、リズムが良くなる。でも、そればかりだと相手も慣れてきます。だから2タッチでもリズムを変えたい。変えられる選手はいます。(G大阪の)遠藤選手とか。リズムが速い中でも、急にスローダウンできる。そういうテクニカルな部分ももう1ランク、2ランク上げないと。J2も簡単ではないので。それは去年分かりましたから」

●試合に出たからこそ、気付いたこと

――昨季は、シーズンをとおして出場しました。
「最初はミスばかりで、ピッチに立つのが恥ずかしかった。やっと慣れて(ボールを)取られないぞ、と思えるようになった。パスもシュートも思ったモノを出せるようになりました。自信が付いたから、余裕ができた。でも、もっとうまくならないといけない。テンポを変えられるようなパスをいつもイメージしているんですけどね、なかなか。それを感じてくれる人もいないと。感覚を共有できる選手が増えればできるプレーも増えてくる。そうやってレベルアップしていける環境はなかなかない。監督が言うように技術的な練習をしながら、(コンディションも)上げられるのはヴェルディの特徴だと思います。監督は、『そこを見ているのか』というところを見ています。自分はよく“目線”について言われます。『目線でフェイントをかけるくらいになれ』って。『そういうのが本当の技術だ』って。『足元にちゃんと止められるのがプロで、それに加えて目線のフェイントとか、常に後ろの状況を知っておけ』とも言われています。サッカーがうまい監督の下でやれているのは本当に幸せなこと。自分が『ダメだった』と思っていたことも、しっかり指摘されるから、悔しいし、次はしっかりやろうと思えるんです」

――昨年のいまごろは、よく怒られているように見えました。
「でも、いまはあまり怒られなくなりました。監督に怒られない選手って、いるんですよね。(監督には)『下手な人がうまくなるのは難しい。でも、うまい選手が走れるようになるのは簡単だ』、と言われました。走ろうと思えば走れたんですよあのころも。でも、走り方が分からなかった。やっているつもりだったんだけど、やっていないように見えた。プレーの連続性もなかった。動き方が分かってきたことで、動いているように見えるようになった。動く量はあまり変わっていないはず。『運動量が上がったね』と言ってくれる人が増えたということは、切り替えのスピードや違いが出てきたということ。ボランチは守から攻、攻から守、という切り替えが本当に大事なポジションです。守備ではバウルさん(土屋)がやっているようにゴールネットまで帰らないといけない。ユースのときは『なんでオレが走らなきゃならないんだ』って思っていましたからね。点を取っているし、しっかりパスを出しているんだから良いじゃないかって。でもいまは、90分を走り切る体力が付いてきました。要は、気持ちなんですよ。足がつっていようが何だろうが、気持ちがあれば走れてしまう。本当は、そういう“気持ち”について話すのは嫌だったんですけどね。でも、そうだと気付きました」

――なぜ気が付いたのですか?
「トップチームに入って、ボールを取られることが増えてしまって。じゃあ、練習するしかない。悪いグラウンドだって、ボールを止められる人は止められる。だから、もっと練習しなければならなくなった。体は疲れても、心が疲れなければやれると気付きました」

――人一倍、練習しているのは知っています。
「でも、試合に出ていることが一番大きいですよ。どこで走ればいいのか、どこに走ればいいのかが分からなかったら、走れても意味がない。『うまくサボりながらやっているよ』と言う人ほど、走っていることが多い。頭が良いんです。遠藤選手はその筆頭ですよね。相手の目線を見て、どこを見ているのかを理解した上で、自分が動く方向を決めている。ボールのないところから、ずっと駆け引きをしている。そして受け手が『ありがとうございます』というような緩いパスを出せる。あと、シュートやパスを蹴れる場面でも、結構止めることがある。それはその後のことを考えているから。1対1じゃなくて、2対1にできる方法を選んでいる。ただ、サイドチェンジするだけではダメなんです」
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