2012/2/11
●好調なチームの中でメンバー争いをできていることは良い刺激になっている
――ボルシアMGに移籍して半年が経ちました。ドイツの素晴らしいところは?
「ソーセージ(笑)。でも、3日くらい食べたら飽きます。ドイツ料理はおいしいのですが、味が濃いんです。だから、自炊しています。体調面のことも考えて。というのは“つかみ”で、やっぱりサッカーの激しさですね。練習が激しいところ。それが日本と違います。これは自分にとって、意味が大きい」
――ボルシアMG自体は好調です(取材時・首位と勝ち点1差の4位)。
「ウチのチームは守備にこだわりがあるんです。守備では絶対に手を抜かない。守備ができなかったら使われません。口うるさく言われています。守備の特徴としては、ボールと逆サイドにいるサイドハーフをしっかり中に絞らせること。そして攻撃では、しっかりパスをつないで支配率を高めていく。パスサッカーで相手を崩してゴールすることがとても多いチームです。マルコ・ロイス(ドイツ代表の新鋭MF、今季のリーグMVP候補)を中心に、とても良いサッカーをしていて、この順位になっています」
――柏は、そのときどきで相手に順応するサッカーです。
「レイソルとは少し違いますね。監督が“戦術の形”を持っているというか、それを貫き通すというか。攻撃では中盤はシンプルにつないで、前線では選手のイマジネーションに任せている。それがかなりフィットしています。選手一人ひとりが、チームのやり方に対応できているから強い。守備もサボりません。攻撃も、『なんでそんなにうまくいくの?』っていうくらい、結果が出ています。最初のうちは、『まぐれかな』という雰囲気はありましたが、いまは『ホンモノ』だと意識できています」
――マルコ・ロイスなど、スペシャルな選手もいますが、ルシアン・ファブレ監督の存在も大きい?
「(監督は)練習の質が高いのもそうですし、なんといっても試合で結果を出しています。ここは結果を出している監督が良い監督ということになる世界。監督の言うことに沿ってやって、こうやって結果が出ている。だから、良い監督です」
――具体的には?
「練習メニューの種類(の豊富さ)に加え、やり方も細かい。対戦相手に対する分析もしっかりやる。それが試合で効いています。守備の組織練習、そしてボールタッチの練習をとても多くやります。真面目という印象はあります。チームとして本当に充実している。好調なチームの中でメンバー争いをできていることは、良い刺激になっています。勉強になりますしね。今までにないレベルで戦っていることは感じますし」
――移籍当初、試合に絡めなかった時期を振り返ると?
「コチラの人間からしたら、自分なんて“ただの若い選手”なんです。それは認めないといけない。自分の能力が足らないことも感じていますしね。だからこそ、伸びしろもたくさんある。日々の練習の積み重ねが、とても大事になっている。日本でも集中してやっていましたけれど、一つひとつの練習メニューを、さらに気持ちを入れてやっていかないといけない。そこでもアピールになる。細かい部分が、プロフェッショナルになった感じはしています。以前より、サッカー選手がサッカーをやるときの重要性を実感しています。ここにはサッカーをしに来ているわけで。やることはいっぱいあるんです。サッカーのことを考えて食事のメニューを決めたり。自分を見つめ直す時間も長くありました」
――ドイツに行く前は、「自信がなければ行かない」と話していました。それが、行ってみたらチームが予想以上に強かった。
「自分に自信がなかったら、ここに来ていなかったことは確かです。でも、自分よりも優れている選手が実際にはいた。最初は『コイツら、うまいな』と思ったし、実際にほかのチームと比べても『なんで、このチームが去年下位に沈んでいたんだ』という思いも生まれました」
――その中でも腐ることなく、自分の現在地を把握できていた。
「それはもちろん。『なんでオレが試合に出られないんだ』とか、『じゃあ練習でふてくされてやろう』とは思わない。自分の性格なのかもしれないけれど、ネガティブにはなりたくないんです。そりゃあ、負けたくもないし、(試合に出られないと)悔しい。でも現状として、『試合に出るべきなのはアイツらだ』とも感じる。下手クソだけれど出ているような選手はいない。試合でも結果を出しています。彼らが結果を出していなければ、『なんでだよ』と思ったでしょう。自分が監督でもきっと彼らを使います。結果が出ているチームを崩そうとは思わない。だから、耐えるべきところだと」
――その後、練習試合などでアピールでき、出場機会が巡ってきたと聞きました。
「選手層の厚さもありますし、自分はベンチ入りして少し試合に出たくらいのレベルです。満足はしていません。でも、そうやって自分の立ち位置を上げていかなければいけないことを感じました。だからこそ、結果が大事だなって。練習中のゲームでも、1点を決めるのと決めないのとでは監督の印象も変わってくる。ゴールに対してはどん欲になりました。結果を出せなかったら、どんどん序列も下がっていきますしね。コチラの選手たちはちょっとしたプレーでも気を抜いていたら、味方から『てめえ、ぶっ殺すぞ!』くらいの勢いで言われます。しかも、年下、年上は関係なく、誰に対しても、です。そうやって言われたほうはと言うと、言い返すことは絶対ない。間違ったことは言われていないから。負けず嫌い、そしてこだわりはすごい。そういうのを見ていると、『やっぱり日本とは違う』と感じます」
――それ以外にも違いはありますか?
「よく言われることだと思うのですが、グラウンドに入ると、人が変わります。削り合いも常にある。削られた側が言い返すこともたまにはあるけど、大体は『これが当然だよな』という感じ。そのくらいの気持ちでグラウンドに入っている。『ここは遠慮しよう』なんて、自分もまったく考えません」
――すんなりとその環境に入っていけたのですか?
「もちろん、やられたらやり返すくらいの気持ちでやっています。オレだって、負けず嫌いですから。絶対に負けたくないという強い気持ちは常に持っています」
サッカー専門紙EL GOLAZO