2012/2/22
●個々の責任感と、プロ意識
――少し前の話になりますが、オフはゆっくりと過ごせましたか?
「ええ、楽しい、充実したオフでした。昨年は忙しいシーズンでしたから、そのぶん、家族や友人たちとゆっくり過ごすことができました」
――ではここまでのキャンプ、チームの状態はいかがですか?
「まず、オフ明けでチームに戻って来た選手の状態は、とても良いものでしした。選手たちのモチベーションが非常に高い。今季は、昨季以上にさまざまな困難が訪れるだろうということを、彼らはしっかりと自覚していたんじゃないかなと思います。その後もとても良い状態で、これまで進んでいます」
――昨季に比べ、練習の質も上がっているように見えます。
「個々の責任感が高まっていますからね。タイトルを獲ったことで、選手それぞれが自信を持って練習に臨んでいる。それが、チームの成熟につながっていると思います」
――新加入選手たちは「常に100%で練習に臨まないとチームの標準に付いていけない」と目を丸くしていました。
「もう、3年近くいまのメンバーでやっていますからね。われわれも、そして選手たちも互いを理解し合っています。それに、自分たちがやってきたやり方を信じています。新しく加入した選手たちは、新しいやり方、マインド、ペースに慣れていかなければなりません。いまはその期間です。ほかの選手たちに比べれば最初はうまくいかないかもしれませんが、この練習を続けていけば、戦術的にも、技術的にも(全体を)元のベースに戻すことは、そう難しくはないでしょう」
――確かに練習では、主力組の多くを昨季までのメンバーが占めています。ただ、前線には一貫して新加入のリカルド・ロボを置いていますね。その理由は?
「彼は、チームとして連れて来た“ストライカー”でもあります。FWに彼が入ることで、他のFW、そして周りの選手たちに対して、新たなクオリティーを作り出してくれると、期待を懸けています。いま、主力組に入れながら彼の動きを見ていますが、非常に良い手ごたえを感じています」
――昨季終盤には得点力が課題と言われていました。ロボ選手の加入は、その理由もありますか?
「彼のようなストライカーの加入はFW陣にとって刺激になります。彼がいることで周囲も日々、経験値を積んでいけるものです。やはり、理由としては決定力を上げるという目的で、外国籍のFWを連れて来ました」
――ほかの新戦力には、那須、藤田、福井、山中。それに渡部と川浪が期限付きしたのでしょうか?
「10、11月くらいからフロントと話を進めていたのですが、シーズンを戦いながら、守備の選手層を上げる必要があるという結論に行き着きました。同じレベルを期待できるという意味で、酒井の代わりはいませんでした。(橋本)和の質の高さを見ても、代わりはなかなかいない。CBにしても同じですよね。ですから、そこの層を厚くしなければならないということで、那須、藤田、福井を連れて来て、ナベ(渡部)を戻しました。ピンポイントで補強をしたかった。熟慮を重ねて必要に応じた選手を連れてきたわけです」
――彼らのプレーを実際に見ての感想を教えてください。
「彼らは全員、練習好きです。皆真剣に練習に取り組んでいます。もちろん、プレーの基礎はできている選手たちです。昨年末から彼らをチェックしてきましたが、そこで感じた彼らのクオリティーを、それぞれがグラウンドの中で証明できていると思います。これからのシーズンを送っていく中で、彼らはチームからの要求にしっかり応えてくれると予感しています」
●大切なのは、チーム戦術と役割の理解
――フォーメーション練習などでは、どうしてもサブ組への指示、要求が増えています。
「確かに新加入の選手たちに向けて話すことが多いですね。トップチームがやってきたことを全員に理解してもらう。それを意識して指導しています。レイソルはチームですから、トップチームで解決できなかったことに関して、Bチームの中から解決策を見付けていかなければなりません。全員がチーム戦術を理解してもらうために、トップでやっていることを、そのままBチームの選手たちに向けて話をしています」
――気になるのは、選手の距離感ですか? それに関する指示が多かったようにうかがえたのですが。
「もちろん、距離感は大事です。それは攻守にわたって。われわれには、戦況を見ながら使い分ける戦術のプランがあります。そのプランの基礎を分かっていないと、使い分けの判断もできません。選手たちは、その時、その時の状況を踏まえて、チームが何を要求されているのかを理解しなければならないわけです。そのうえで、選手の距離感というものは必要なものとなってきます」
――右SB藤田選手への指導が多くなっているのは、同ポジションの酒井選手が代表で抜けることが多くなるからでしょうか。
「彼(藤田)に対しては、技術的なプレーのディテールについて話をしました。クロスを上げる際のプレー判断についてなどです。もちろん、酒井が今季何試合かチームから抜けることはわれわれも気にしている部分で、その意味(で藤田への指導が多くなっていること)もあります。とにかく、全員が戦術を理解することが一番大事。藤田に関して言えば、酒井がやっていたことを彼に理解してもらうことは重要な部分です」
――つまり、彼らのプレーの良さを出してもらう前に、このチームのやり方に順応してもらうのが先ということでしょうか?
「ええ。それは選手たちにいつも伝えていて、いつだってその考えは変わりません。重要なのは、チーム戦術の理解、個々の役割の理解です。同時に、私は選手たちのクリエイティビティーを消すつもりもありません。選手たちの特長も生かしながら、チームがそれぞれの選手たちに対して必要としているものを理解してもらいたいということです」
サッカー専門紙EL GOLAZO