2012/3/12
3月3日の国立競技場で行われた富士ゼロックス・スーパーカップを、第4回・第5回サッカー検定合格者の中から選ばれた3名の方が、スペシャルレポーターとして現地で観戦。
試合前に本紙の柏・FC東京担当の記者から取材の流れや試合の着眼点、担当チームの最新情報についてレクチャーを受けてからスタジアム入りし、昨季J1王者と天皇杯王者の熱い一戦を満喫した。
試合は26分にジョルジ・ワグネルのミドルシュート、43分にレアンドロ・ドミンゲスのPKで柏が前半に2点リード。
後半にFC東京が長谷川のゴールで1点差に詰め寄ったが同点には持ち込めず。柏が2-1で勝利した。
◆桑村 裕次さん(2級合格)◆
【贅沢なプレシーズンマッチに、国立は熱かった!!】
2012年、20年目を迎えるJリーグのシーズンの行方を占う富士ゼロックス・スーパーカップ。プレシーズンマッチにありがちな調整モードが一切ない。内容のあるガチンコ勝負を目の前で観られたのはとても幸運だ。攻守の切り替えが速く目を離すことはできない。キックオフからFC東京が約20分間攻勢を続ける。新監督のポポヴィッチが標榜する「攻撃的な美しいパスサッカー」の実践だ。右サイドは石川が飛び出しドリブルで揺さぶる。左サイドは太田がオーバーラップ。ルーカスのポストプレーも健在だ。
が、前半26分、ジョルジ・ワグネルが、カウンターから得意の左足を振り抜いたミドルシュートで先制。前をフリーランニングでスペースを空けた田中の質の高い動きも見逃せない。FC東京は、後半投入された移籍組の渡邉など攻撃陣の駒はそろうが、攻撃サッカーの盲点であるカウンターの対応を含めた守備力に課題を残した。今野が移籍で去ったディフェンスラインを絞め直すには時間がかかるかもしれない。ネルシーニョ監督の柏は、FC東京の多彩な攻撃を落ち着いていなし、バランスをとり、チャンスを逃さずものにする。先制点とキッチリ勝ちきる試合運びに、クラブW杯で世界を体感し、さらなる進化を続けている柏を観てとることができた。
◆小田 祐己さん(2級合格)◆
【攻守の切り替え素早く予想以上の好ゲーム】
富士ゼロックス・スーパーカップの試合開始前に、柏レイソル担当の田中直希記者とFC東京担当の泰良和彦記者からお話を伺える機会があり、お二人の仕事内容や川端暁彦編集長のすごさ等、普段では聞けない話を聞くことができた。試合はリーグ開幕前とあって、両チームともコンディションは良くないのではないかと思っていたが、予想以上に好ゲームになった。
まずはFC東京。ポポヴィッチ監督が攻撃的なサッカーを目指しているだけあって、序盤から裏への飛び出しとサイドからの崩しが多く見られ、前線からのプレスも機能していた。ただ前半はゴール前での迫力が感じられなかった。後半、渡邉が入ってルーカスがトップ下に入り、その結果攻撃の厚みが増したので、このシステムのほうが機能するのではないかと感じた。一方、柏はボールを支配されていたが慌てることなく守り、ブラジル人MFを中心に攻め、2点リードで前半を折り返した。後半は選手交代を行いながら、相手の反撃を1点に抑えて勝つところを見ると、今年もACLも含めて好結果を残しそうな予感がした。
両チームとも試合開始から攻守の切り替えが早く、非常に引き締まった良いゲームだった。柏はもちろん、FC東京も攻撃の精度を高めれば、十分にJ1の上位に入れると感じる内容だったので、期待して見ていきたい。
◆小北 翔大さん(3級合格)◆
【美しく埋まったスタジアム 春の到来を告げた一戦】
水色の空、薄く流れる雲、鮮やかな芝、冷えた風に肌の感覚を研ぎ澄まされる。黄と青赤で埋まる観客席はまるでパンジーの楽園、私は国立に春を感じた。
開始直後主導権を握ったのはFC東京だった。両SBが高い位置で張り、新加入の長谷川が豊富な運動量で中盤にスペースを作ることで、中で展開しつつ外でしかける展開を繰り返した。そんな防戦一方の柏に26分、歓喜が訪れる。中盤でボールを受けたワグネルが田中の作ったスペースにドリブルで持ち込み、バイタルエリアから左足でミドルシュートを決めた。さらに柏はPKで追加点を奪い、前半を折り返す。後半途中、フィニッシュの枚数が足りないFC東京は渡邉を投入し柏と同じ2トップにすることでカウンター合戦が始まった。ただ、直進的で鋭い柏に対し、流動的なFC東京はカウンターの迫力で劣る。それでも組織的な攻撃で幾度か決定機を作ったが、長谷川が1点を返すにとどまった。
90分のレアンドロのカーブのかかったシュートは、ゆっくりと放物線を描いたがクロスバーに嫌われた。ただ、誰ひとり溜息を吐いていない。外れたにもかかわらず、惜しい、悔しい、悲しいといった負の感情が一切感じられなかった。外れたシュートに魅力を感じたのは、勝負が決まっていることを理解していたからだ。勝者は柏レイソル、敗者はFC東京。内容は五分。しかし、確かな実力の差が富士ゼロックス・スーパーカップには存在した。
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